ゴム印画と日本では呼ばれていますが、Gum Bichromate Printingという、顔料をアラビアゴムと感光剤に混ぜて露光、現像することで紙に顔料を定着させる技法です。

1860年代から1920年代に多く使用された、芸術写真を代表するする印画法といえるでしょう。
この技法では顔料を使うため、色の3原色に基づいてC-M-Y-Kに色分解したネガを用いることで、カラープリントを制作することができます。それは、各色ごとに乳剤の塗布、乾燥、露光、現像、乾燥のプロセスを重ねていきます。
現在のインクジェットプリントをハンドメイドで行うとイメージするとわかりやすいと思います。
感光剤は二クロム酸カリウムが使われてきましたが、六価クロムは環境汚染の原因になるため推奨できません。EUでは2017年に使用禁止となったことから、ヨーロッパの写真家はDASというジアゾ化合物(正式名称を4,4'-Diazidostilbene-2,2'-disulfonic acid, disodium salt, tetrahydrateという長い名前の略称)を二クロム酸カリウムの代替としました。
二クロム酸カリウムはオイルタイプなど、その他のオルタナティブ・プロセスでもよく使われてきたため、それらはDASに置き替わってきています。ちなみにDASはかなり高価です。

ゴム印画は、顔料やアラビアゴムの量、紙の種類、露光時間、湿度、塗布の方法などによって異なる風合いを表現することができます。
アメリカの写真家、クリストファー・ジェームズは、彼の著書『THE BOOK OF ALTERNATIVE PHOTOGRAPHIC PROCESSES』の中で次のように書いています。
「ガムビクロメートプリントの制作方法についてdogmaticになることは、子供に「空を塗るには青いクレヨンしか許されない 」と教えるようなものです。ガムプリントの変数は無限であり、各個人の意図は決して他者と完全に一致することはありません。遊びと練習が、良いガムプリンターになるための秘密です。ガムの多様な要素を試し、練習を重ねて、自分の意図と相性の良い個人技を磨くことノノそうすれば、それがあなたにとって機能するようになるのです。」

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