Mordançage 
 

Taisuke Sato, "Barks" Mordançage, 2023

Taisuke Sato, "Thoughts", Mordançage, 2023

Taisuke Sato, "Venice Night",Mordançage, 2023

Taisuke Sato, "Lotus", Mordançage, 2023

Taisuke Sato, "City Hall", Mordançage, 2023

Taisuke Sato,  "Thoughts #2", Mordançage, 2023

モルダンサージュ技法
 執筆者 佐藤 泰輔 
 2023年9月29日

 私は2023年1月にイタリアの写真学校にて、写真家のユージェニオ・シナトラ(Eugenio Sinatra)からモルダンサージュ・プロセスを教わり、さらに研究をしながら作品制作を試みています。しかし日本においてはモルダンサージュについて記載した文献、作品、研究が見当たらず、未だ認知されていないと思われます。そこで、写真表現の可能性を広げる技法の一つとして作品事例とともにご紹介します。
 モルダンサージュは、ゼラチンシルバープリントを漂白・再現像する過程で、ゼラチンに含まれる銀の多い部分がベール状に浮き上がる性質を利用した技法です。これは19世紀末のフィルムのネガを反転させるエッチング漂白という技法が元になっており(註1)、1960年代にフランスの写真家ジャン=ピエール・シュドルが初めて芸術写真に転用し「モルダンサージュ」と名付けました。(註2) 

 シュドルは溶けて乳化したゼラチンを除去し、ソラリゼーションのようなイメージを制作していましたが、1983年からシュドルのワークショップを受けていたアメリカの写真家エリザベス・オパレニクは、1991年に
ベールのように溶けたゼラチンを保持したまま再構成する「
ドレーピング・エフェクト」(ドレープ効果)という手法に発展させました。(註3)オパレニクはベールを巧みに操り、芸術的、絵画的な様々なイメージに昇華させています。
 この技法の詳細等につきましては、さらに研究を重ねて発表いたします。

脚注
(1)クリスチーナ アンダーソン (Christina Z. Anderson), "Experimental Photography Workbook" Bozeman, 2006年、 pp. 147–150.

(2)ジッターマン・ギャラリー「ジャン=ピエール・シュドル バイオグラフィー」Gitterman Gallery,"Jean-Pierre Sudle Biography",  
https://gittermangallery.com/artist/Jean-Pierre_Sudre/biography/(最終閲覧日2023年9月29日)

(3)エリザベス・オパレニク(Elizabeth Opalenik),"Working in the Mordançage Process" Alternative Photography, 2013年 
  https://www.alternativephotography.com/working-in-the-mordancage-process/ (最終閲覧日2023年9月29日) 
当サイトの情報を転載、複製、改変等は禁止いたします
Back to Top